好きです――
あいつが俺に告げた言葉だ。なんてシンプルで、直接的で、そして素直な言葉だと思った。もし少年の日にこの言葉を聞いていたなら、俺はどんな反応をしただろうか。多分、あいつの気持ちの真偽を疑うより前に、言葉そのものに純粋に驚いただろう。そして次に、からかわれたと感じただろう。黒子に、相棒にそんなことを言われて最初から真に受けたりはしないに違いない。むしろちょっとした悪ふざけと思い込むか、一時の気の迷いと解釈しておしまいになっていた可能性が高い。だとすると、高校時代にこの言葉を言われなかったのは、当時の俺たちにとってプラスだったということか。あいつは理性的だから、そのくらいは見越していただろう。
十年が流れたいま、何もかもが目まぐるしく変化した状況で聞くことになったそのシンプルな一言は、俺の胸にすとんと落ちた。
「そっか……俺のこと、好きでいてくれたんだな」
独り事のような俺の呟きに、あいつは弾かれたように体をひねって振り向き、俺の両の肩口を掴んだ。
「はい、好きです、好きなんです……! 火神くんのことが、どうしようもなく……! ああ、でも、本当は言うべきではなかったと思います。友人だとか性別がどうとかいう以前に、僕はこんな体ですから、純粋に人を好きになるのは難しいです。どうしても強い依存をしてしまいそうで……。言いかえれば、好きだと思っても、依存心のはき違えなんだろうなって、思ってしまうんです」
こいつは以前、周りの人間が遠いと言っていた。その理由のひとつがこれなのか。冷静な自己分析に基づいて、自分から距離を置いているのだろう。
俺の肩に額をつけ、あいつは首をのろのろと左右に振った。
「いつ僕たちが再会したのか、どれくらい経ったのか、僕にはわかりません。その間ずっと――いまでも――僕はきみに頼りきりだったことでしょう。あまりいいことではないなって、思います。何度も思ってきたことでしょう。でも、それでも僕には、きみを遠ざけるなんてできなかった」
会いたい、また会ってください――これまでに数えきれないくらい、特に別れ際に繰り返しこいつが俺に言った台詞だ。こんなに強い想いが背後にあったのか。
一気にしゃべったせいか、それとも溢れ出る言葉の波を堰き止める術がないのが苦しいのか、呼吸がやや浅く速くなっている。俺は落ち着かせるように背を撫でた。
「もし僕が、事故でこういうことにならなかったら、自分がきみのことを好きだったという事実は、学生時代の思い出のひとつとして心に残るだけだったと思います。伝える気はなかったし、時間と距離が離れることで、そういった感情は、なくならないにしてもいずれ褪せていくものだって、思っていましたから。健康なままだったら、きっとそうなっていたでしょう。でも僕は、記憶が高校生で止まってしまって、きみのことが大好きだったときから、動けなくなってしまいました。僕はあの頃と同じ気持ちをいまでも持っている。変わらないんです。変えようがないんです」
「苦しく、なったりしないか」
少女の恋心のような純粋な恋情は、たいていの人間が思い出の一ページとして記憶のほんの一端に刻むものだろう。それをずっと抱き続けるのは、ある種の狂気を感じないでもない。
「そういうこともあったかもしれません。でも、あったとしても、それは甘やかな苦しみと言えるでしょう。普通の体で普通に生活ができればそれに越したことはないと思っています。僕はいまでも、健康だった昔の自分への未練を捨てられていません。取り戻せるならば、あの頃の頭と体を取り戻したい。いえ、そんな贅沢は言いません。体はこのままでもいい。せめて記憶ができるようになれば……。それは多分、一生付き纏う思いでしょう。無理だと理解しているわけですが……。だから、自分へのせめてもの慰めとして、きみのことずっと好きでいられると思えば……きみへの気持ちを色褪せさせずに済むと思えば、この駄目になってしまった頭もそう捨てたものじゃないのかもしれない――多分、そう自分に言い聞かせて僕は今日まで過ごしてきたのでしょう。空白ばかりの人生を歩く僕を支えてくれたのは、きみへの気持ちだったと言ってもいいでしょう。それは……これからも変わらないでしょう」
そうか、だからあのとき――精神の不調から俺のとの思い出が引き出せなくなったとき、おまえはあれほどまでに困惑し怯えていたのか。
「いまの、大人になったきみのことが好きなのかは、正直なところわかりません。僕の中には間違いなくきみへの依存――それも強度の――がありますので、それも混ざっていると思います。それを取り除くことができない以上、純粋に好きと断言することはできないんです。それから、きみの優しさに甘えて……同情だけで僕にここまでよくしてくれるものなのかな、ひょっとしたらきみも僕のこと、ちょっとは好きなんじゃないのかなって、勝手に想像したり期待したりも、多分したことがあると思います。あ、すみません、いまのは独り言です。駄目ですね、思考も感情も、うまくコントロールが効かない……」
あいつは気まずそうにうつむいたが、すぐにまた俺を見上げてきた。右手が俺の頬にやんわりと触れる。
「でも、いまでもきみに会うと――会えることを考えると――心がざわざわしていたような気がするので、あの頃のきみといまのきみの間に大きな違いがあるとはとらえていないのでしょう。僕のことを案じ、親切にしてくれる人はきっとたくさんいます。具体的には思い出せませんが、家族以外にも昔の友人……緑間くんとか赤司くんとか、いまでもお世話になっていると思います。彼らとの間には線が引ける気がするんです。彼らは彼らで、僕のこういった考えはお見通しでしょうし。でもきみとは……きみとはそれができない。こんなに頼ってはいけないって思うのに、離れるのが嫌だと思ってしまうんです。一緒に過ごしてくれるだけで満足したいのに、一緒にいればいるほど、気持ちが抑えられなくて……」
返す言葉が見つからない。自分の中に、言葉にできるほどはっきりとした輪郭をもつ気持ちがないから。こいつに対して多くの感情があるが、そのどれも、言葉という枠組みにとらえることができない。
こいつの何の飾り気もない『好き』が頭の中に響いている。
十代の少年のままの、素朴な感情。
俺はそれに何を言えるだろうか。誰かを本当に純粋に、ただ好きと思うには、俺は年を取り過ぎた。それは年齢を重ねる人間にとって当たり前のことで、よいとか悪いとかいう価値をつけられるものではないだろう。
俺はこいつを大切に思う。大事にしたいと思う。それが好きの範疇に含まれるなら、俺は確かにこいつのことが好きなのだろう。ただ、その感情がいまのこいつへの同情や憐みに起因するわけではないと断言する自信はない。こうなってしまったいまとなっては、そういった要素を取り除いて判断することはできないだろう。聡いこいつのことだ、俺の感情が不可分になって純粋な気持ちを抽出できないことなど見通しているだろう。また、それを要求することもないだろう。それに、究極的にはこいつは自意識の年齢と同じ高校生の俺に好きという気持ちを寄せており、その俺はすでに時間の中に消え去っていまの俺に溶け込んでいて、現実世界には存在しないのだ。あの頃の俺は、記憶の中だけの存在だ。このこともまた、あいつは理解している。だからいまの俺のどんな言葉も、あいつへの答えにはなり得ない。
「多分、おまえは俺に答えを求めていないんだろうと思う。聞くのが怖いとか嫌だってより、おまえの言葉に応えられる人間は、おまえの中にしかいないってわかってるから。そして何より、自分が何を聞いても忘れちまうって、知ってるから……」
「はい……だから、きみに言っちゃ駄目だったなって思います。結局きみを困らせるだけで、僕の自己満足に終わるってわかっています。なのに……。僕は……馬鹿です」
「俺も正直何て言ったらいいかわからない。おまえが信じるに足る言葉を言える自信がない。ただ……おまえがそう言ってくれて、俺は嬉しく感じている。それは確かだ。好意を寄せられて悪い気なんてしねえよ。それがおまえならなおさらだ。苦しむこともあっただろうに、ずっと好きでいてくれて、ありがとうな。事故の後遺症がおまえをそうさせたんだから、喜んじゃいけないのかもしれねえけど……でも、おまえの気持ちが嬉しいって思っちまう」
「火神くん……」
「長いこと、何も知らずにいて……すまなかった」
知らずにいたというのは、事故のことか、あるいはあいつの好意か。いずれにせよ、誰かが悪いわけでもなければ、知らなかったことによって重大な問題が生じたわけでもない。それはわかる。だがそれでも俺は、こんなにも俺を想ってくれていたこいつに対し、謝罪の念が湧くのを抑えられなかった。そして同じくらい感謝の気持ちも。ひとにこれほど想われることを幸せと思わずして、何を幸福と呼べようか。
「ありがとう。おまえがそう思ってくれて本当に嬉しい。おまえにまた会えたことが、こんなにも嬉しい。おまえはすげえよ……俺、いままででこんなに嬉しいと思ったことはないんだからな。俺にこんな幸せな気持ちをくれて、ありがとうな。ずっと好きだという気持ちを持ち続けてくれるおまえの健気さが、俺はいとしくてたまらない。覚えてないと思うが、なんで俺がおまえをすごく気に掛けるのかって、おまえは以前聞いてきたことがある。あのとき俺はうまく答えられなかった。いまも多分無理だ。純粋に好きと言うには、俺たちの状況はあまりに複雑だし、おまえはともかく俺はちょっと年を取りすぎた。それはおまえが一番わかっているだろう。だから俺に言葉を求めない。でも、これだけは言わせてほしい。おまえは覚えていないだろうが、前と同じ言葉だ――俺は、おまえを大事にしたいって思う。それは多分……おまえが俺にとって大切な存在だからだ。俺は馬鹿で鈍感だから自分のことさえ満足にわかんねえことも多いけど……でも、これは確かだと思う。おまえが俺を信頼してくれていることは感じてた。それが依存の一種であっても、おまえが俺を頼ってくれることが俺には嬉しい。何年も連絡なしで済ましといて、いまさらこんなこと言える身じゃねえのはわかるけど……俺だって、ずっとおまえのこと、大切なやつだって思ってた。おまえが想ってくれるのと同じ意味じゃねえけどさ……でも、どんなすげー選手とプレイしても、おまえほど合うやつは見つけられなかった。探せるとも思えなかった。アメリカ行って、前以上にバスケ三昧の生活して、正直おまえのことを考える機会ってあんまなかった。でもふいに思い出したりしたんだ。おまえのこと。もしおまえがそばにいたら、俺は、俺たちはどんなすげえプレイができてたんだろうって、おまえのこと思い出して、想像することもあった。その程度のことでしかないけどよ……けど、俺の心の中にもまた、おまえはずっといたんだよ。それって、俺にとっておまえが大切な存在だってことには、ならねえかな……」
考えも、話もまったくもってぐちゃぐちゃだ。こいつが語ってくれたたくさんの言葉に少しでも返したい、その一心で俺はたいしてよくない頭をかつてないくらい回した。
だが、わかっている――究極的には、俺はこいつに応えられない。その術がない。でも、現在の俺はいまのおまえの言葉にこんなに心を揺り動かされている、いまのおまえが俺の心をこんなにも震えさせているのだ――せめてそれだけでも伝えたいと、俺は少ない日本語の語彙を振り絞った。あいつが想いを寄せる過去の俺は、もはやあいつには何も言えない。ならばいまの俺が言葉を尽くすしかあるまい。そう思って、必死にしゃべっていた。
気づけば俺はあいつの頭と背を左右の手でそれぞれ支え、きつく抱き締めていた。あいつの体は俺の腿に乗るかたちになり、顎は俺の肩に乗せられた。体勢的に表情は見えないが、涙ぐんでいるのが呼吸に混じる湿った音から感じ取れた。
「火神くん、火神くん……。ああ、きみはこうして僕を抱き締めてくれる。僕にこんなにたくさんの言葉をくれる。それが僕をどれほど幸せな気持ちにしていることか、きみに伝える言葉が見つかりません。なのに……なぜでしょう、近くにいるのに、ひどく遠い。触れ合えるのに、現実感がない。なんで、なんで……。きみは、こんなにも近くにいてくれるのに」
ひとが遠い――いつかこいつが俺に言った言葉だ。これほどぴったりと接していても、やはり記憶を保てないこいつにとって、この現実世界は水槽越しのような感覚なのだろうか。しかしそれでも腕にあらん限りの力を込め俺の背を抱き締め返してくるこいつは、俺たちのいる世界に必死に手を伸ばしているのだろう。
「俺がそばにいると、逆説的におまえは孤独を強く感じるか?」
「いいえ、いいえ、幸せです。違和感も孤独も消えることはないでしょう。でも、それでも、記憶の中だけでなく、この現実の世界できみに会えるのが、僕は嬉しい」
俺もひとのことは言えないが、まとまりのないことばかり言う、というのが黒子に対する正直な感想だった。だが、あいつの心理は多少推察できる気がした。あいつは十七歳以前の思い出に縋る一方で、現実世界に拠り所を求めている。肉体的な、もっと言えば物理的な何かがほしいのだ。だが、それを手に入れることができない。獲得できたとしても、記憶に留まらなければ、それはないのと同じだからだ。わかっていても諦められず、もがいている。こちら側の人間が手を延ばしても、あいつには見えない。ひどい断絶だ。別の生き物のようだというあいつ自身の形容は、まさに正鵠を射ている。同じような記憶障害を抱えた人間は、きっと地球上にたくさんいるだろう。だが、そのひとりひとりは別々の記憶を持っている。それゆえパーソナリティが成立する。それが個人というものなのだから。それであるがゆえ、彼らは同類でありながら仲間のいない、孤立した生命体なのだ。
救いようがない、と思ってしまう。実際、救おうなどと考えるのは傲慢かもしれない。あいつは事故に遭ったというあの日から、別の世界の住人になってしまったのだ。肉体のある幽霊とでも言うべきか。気の遠くなる隔絶に、俺の心は憐憫すら湧かなくなっていた。それはある意味で諦観なのかもしれない。ひとつの確かな感情としてわかるのは、悲しいということだった。過去という名の孤独の深淵に佇むあいつの姿が、そして俺も誰もそれに触れることができないという事実が、ただただ悲しかった。
十分ほどもそうして抱き合っていただろうか。
やがてあいつはのろのろと顔を上げ、上半身を少し後ろに倒し俺の顔に焦点が合うくらいの距離を取った。もっと感情に任せて涙を流していたいだろうに、時間の経過が即座に記憶の消失につながるあいつにとっては、そんな余裕もない。
服の袖で涙に濡れた目元を拭い、あいつが再び口を開く。
「すみません、いっぱいしゃべったと思いますが、僕はすぐに忘れてしまいます。覚えていられないんです。今日こうしてきみと話しはじめたときのことすら、僕はもう思い出せない。あらゆることが僕を置き去りにしていく。僕自身の言葉や行動さえ、僕の頭からこぼれていく。僕には何も残らない。いま言った言葉も全部全部、あと少しで忘れてしまう。忘れたくないのに。覚えていたいのに。ごめんなさい、ごめんなさい。どんなに大切にしてくれても、どんな優しい言葉をもらっても、僕の中にきみを残せない。僕自身の言葉でさえ残らない。人生におけるひとつひとつの体験は、時とともにやがて思い出というかたちになって胸の奥に落ち着くのでしょう。でも、僕はもうそんな当たり前のことができなくなってしまいました。僕は……思い出をつくれない。いまここにいる僕は、未来の僕自身の思い出になることすらできない。こうしてきみに伝えた言葉も、きみがくれたたくさんの言葉も、あと何十分かしたら忘れてしまう。話をしたこと自体さえ。きみは覚えていてくれるだろうに。僕はそれが悲しくてならない」
「黒子……」
あいつの中のどうしようもない哀しみが、俺の胸を刺す。あいつの嘆きの根幹は、誰にも取り除くことができない。だが、少しでも紛らわせるのなら、一時でも心を軽くすることができるのなら……
俺は再びあいつの体を抱き寄せると、あいつの顔の片側に自分の頬をぴったり寄せ、耳元で静かに言った。
「いい。いいんだ。忘れていい。忘れていいんだ。忘却は罪じゃない。大丈夫。大丈夫だから。そうだ、そうだよ、俺は覚えているから。俺が、覚えているから……。だから、おまえは安心して忘れちまえよ」
「か、かがみ、くん……」
「つらかったな……」
「はい……」
まぶたを閉ざすのが、顔に当たるまつげの動きの感触からわかった。
「かがみくん、かがみくん……! 僕は、忘れてしまって……忘れてしまっていいんですね?」
「ああ。存分に忘れろ。おまえが落としちまったもん、俺の手の届く範囲でなら、俺がおまえのところまで全部拾ってくるから。心配するなとは言わねえけど、ちょっとでいいから俺を信じてくれ。俺は、覚えてるからさ……。だから、だから……俺が覚えてる分だけでも、もう……苦しまないでくれよ……」
「ありがとう……ありがとうございます……かがみくん」
肩口からあいつの嗚咽が響く。だが、あの不調のときのような狂乱を伴うものではなく、俺の耳にどこか心地よさを与える優しげな音色だと感じた。怒りや悲しみの涙ではないそれは、この世界の構成要素のひとつであるかのように、この部屋の空気に調和していた。
あいつのぬくもりを腕に、俺はとりとめもなく思った。
繰り返される事柄であれば、わずかながら定着するとこいつは言った。なら、ずっとそばにいることで、いつかは俺もこいつの思い出になってやれるのだろうか。
たとえすぐに忘れ去られるとしても、先の保証がない以上、言葉にしてそれを伝えることはできなかった。人生何が起きるのか、まったくわからない。突然の事故により多くの大切なものを理不尽に奪われたこいつは、俺なんかよりずっとそれを理解しているだろう。だから、そんな不確かな約束はかえって不誠実だと感じた。
ああ、本当に、俺はこいつに何もしてやれない。現在という時間にだけわずかに存在を許されたこいつに対し、何ができるというのだろう。
己の無力を感じずにはいられない。
悔しくて、遣る瀬無い。
いまこのときに俺にできることと言ったら、こうやって抱き締めることくらいだ。少なくともいまここで触れている俺は、おまえの存在を感じている、と。
「黒子……俺は何もできない。おまえの言う孤独を理解できることもないだろう。けど……けど確かに、俺はここにいるぜ」
「……はい。わかります、きみはいまここに、確かにいます。そして、いまきみの熱やかたちやにおいを感じている僕も、確かにここにいるのだと思います。そう、感じます……」
「うん……おまえはここにいるよ」
そうしていまの俺も、いつかおまえの思い出になれたなら。思い出にかわるまで――思い出にかわっても、俺はおまえとともにいたい。
込み上げそうな言葉を呑み込んで、俺はただ静かにこいつのやせた体を腕の中に抱き続けた。言葉での約束はできないが、せめて想いのひと欠片だけでも、傷ついた記憶の中にあるこいつの心に伝わってくれたらと、祈りにも似た気持ちで願いながら。
おしまい
あとがき